「社会調査の考え方[上]」を読んでみた感想。まさに教科書!

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こんばんは、keyです

 

今回の書評は社会調査に関する書評です

読んだ本は
「社会調査の考え方 上」

 

なんで社会調査について勉強しようかと思ったかというと、大学の研究で社会調査をしなければならなくなったからです

まさしく大学教員に無理やり読まされた本って感じです

 

結果的には読んでよかったって思える本ですよほんとに

社会調査をしない人でも「そういう考え方があるんだなぁ」という教養程度に読んだほうがいいと読了した今なら思います

 

表紙のデザインが堅そうですし、文章も流し読みは難しい濃さがありますがきちんと読めば視野が広がりますよ!

仕事をする上で何かしら調査をする場合があると思います

その際の調査に関する「基本的な考え方」が身に付きます

ハッとさせられたところが多くあります!

 

特に、調査=アンケートって思ってる人は読んだ方がいい絶対。。。

意味のない時間とコストをかける可能性があるし、情報に騙されている可能性も高いと思うので!

 

 

 

 

目次

第1章 「不思議の国の社会調査」リサーチ・リテラシーを目指して
第2章 「リサーチ・トライアングル」 「筋の良い」社会調査の3要件
第3章 「リサーチャー・トライアングル」 社会調査における分業と協働
第4章 「漸次構造化アプローチ」 リサーチ・トライアングルの時間軸
第5章 「問を育てる」 筋の良いリサーチ・クエスチョンの条件
第6章 「仮説をきたえる」 筋の良い「仮の答え」の条件
第7章 「リサーチ・デザイン」 社会調査における計画と創発
第8章 「サンプリング」 標本調査のサイエンス&アート

 

 

内容と感想

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社会調査の「基本」の「基本」を示してくれている良書でした!

実際に社会調査をはじめて行う状況に陥った僕にとってマジで救世主って感じ

何をするにしてもまずは視点がないと始まらない

社会調査の視点を正しいベクトルで示してくれているので、道に迷っていたけどマップを手に入れた感覚

 

主に試行錯誤のプロセスについて詳細に書いてくれているのが助かった

論文など表舞台にでてくる発表は、報告としては一方向のみの調査や実験っていう感じですよね

背景→問題→目的→方法→結果→考察 のような一方向

読者にわかりやすく理解してもらうためのメディアなので仕方ないですが、表舞台にでてくる資料からは実際に調査をする際の試行錯誤的な考え方は学べないです

そこんところをきちんと基本の考え方から示してくれているのがすごく教科書だなぁって思った

 

また、原語から日本語に訳されて使われる言葉の中で、誤解を招くような様々な使われ方をしている語(アンケートや仮説、問いなど)に対しても言及しています

したがって最初から最後まで勘違いして理解が進むようなことがないです

 

 

GIGOっていう考え方が最初にイメージに残りました

ガーベージイン・ガーベージアウトの頭文字をとっています

意味はゴミを入れたらゴミが出てくるってことです

どんだけ高性能で最強の処理ができるコンピュータがあっても、処理をさせるデータがゴミならなんの成果も生まれない、っていうことです

この視点からみて、著者は「ここはとりあえずアンケート調査でも、、、」という考え方を大きく否定しています

読み切った今だと当たり前やん!って思いますが読む前までは、アンケートに対する考え方は僕もそれに似た考え方でしたから衝撃を受けました

アンケートは簡単にできるイメージですが、実は周到な配慮と入念な準備を経てはじめて「知りたい」有益な情報を知ることができるのが事実です

 

「知りたい」ということ、言い換えると「問い」に関しての話も大きくページを割いて説明しています

それはひとえに、問題を間違えるのではなく、解く問題を間違えることにつながるからです

この解法ではなく問いのほうに注目した点は僕にとって大きな収穫でした

問いの立て方、育て方を学べたのは成長です

 

「筋の良い」社会調査のための要件、またそれを行える調査者の要件も記されています

読めば当たり前だと思うような内容だけど、読まないと意識していない点が多かったです

分業と協働に関する言及で、これから何かプロジェクトをする際のメンバーの選び方や関わり方にもつながる内容でした

 

最近ちまたでよく仮説という言葉を聞きます

その仮説についても大きくページが割かれています

ただの予想としての仮説から調査のコアを担う重要な立ち位置の仮説まで、著者の一貫した仮説の考え方を学べました

仮説の質はまさしく調査者のスキルにかかっています

どのように仮説を育てていくかという点での考え方は将来ずっと役に立つでしょう

 

7章までの内容はあくまで概念的で抽象的な話でしたが、サンプリングの章ではある程度数字がでてくるので他に比べてイメージしやすかったです

実際に調査をする際にはどのくらいのデータが必要なのか、など統計的視点から説明されています

統計を学んだことがある人はスッと頭に入ってきます

 

 

学べたことが多いですが、内容が簡単ではなかったためちゃんと読み切るのに6時間ぐらいかかったと思います。。。

大きい意味で思考のトレーニングとして、社会調査をする予定がない人でも6時間投資してもいいという方は読むことをおススメします

社会調査をするけど知識などのバックグラウンドがない人は絶対に読むべきです

 

[上]のほうは特に社会調査の基本的な前提としての考え方がメインです

[下]のほうはより方法論に近づいていきます

[上]を読んでさらに興味を持った人は[下]も読んでみてはいかがでしょうか?

 

 

おわりっ